職業選択の自由について 「就職」は,一人の人間にとって,生活の安定や社会参加を通じての生きがい等,生きていく上で極めて重要な意義をもっているものであり、

 (法務局登記番号:1600-05-010309) 
          

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公正採用選考人権推進員委員(推進員)とは企業の責務とは


公正な採用選考のために(企業の責務について)

1. 職業選択の自由について 「就職」は,一人の人間にとって,生活の安定や社会参加を通じての生きがい等,生きていく上で極めて重要な意義をもっているものであり,人生を左右しかねない重大な決定にかかわるものです。わが国の憲法において「職業選択の自由」を基本的人権の一つとしてすべての国民にこれを保障しているのも,このような趣旨に基づくものです。
 一方,雇用主にも,採用方針・採用基準・採否の決定など,「採用の自由」が詰められています。
しかし,「採用の自由」は,応募者の基本的人権を侵してまで認められているわけではありません。
労働者の採用選考を行うに当たってば,何よりも『人を人としてみる』人間尊重の精神,すなわち,応募者の基本的人権を尊重することが重要です。「職業選択の自由」は,国民がどんな職業でも自由に選べるということですが,不合理な理由で就職の機会が制限されている状況であれば,その精神を実現することはできません。つまり「職業選択の自由」の精神を実現するためには,不合理な理由で就職の機会が制限されないということ,すなわち,「就職の機会均等」が成立しなければなりませんが,それを実現するためには,雇用する側か応募者に広く門戸を開いた上で,差別のない合理的な基準による採用選考を行うことが不可欠になってきます。
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差別のない合理的な基準による採用選考とは,人種・信条・性別・社会的身分又は門地などでは
なく,本人の音陛と能力のみを基準として採用選考を行うことにほかなりません。
以上のことから,雇用主は,応募者に広く門戸を開いた上で,本人の適性と能力のみを基準とし
た『公正な採用選考』を行うことが求められているということがいえます。
 本人の適正と能力のみを基準とした『公正な採用選考』を行うためには,本籍地平家族の職業などの本人に責任のない事項や,宗教や支持政党などの本来白山であるべき事項(思想信条にかかわること)など,本人が職務を遂行できるかどうかに関係のない事項を採用基準としないのは当然のことですが,それらの事項を応募用紙や面接などによって把握すること自体が,就職差別につながるおそれかおるということを十分認識する必要があります。
 それらの事項は,採用基準としないつもりであっても,把握すれば結果としてどうしても採否決定に影響を与えることとなりますし,また,それらの事項を尋ねられたくない応募者に対して精神的な圧追申苦痛を与えたり,そのために本人が面接で実力を発揮できなかったりする場合かおり,結果としてその人を排除することにもなりかねないからです。
 厚生労働省は,これまでも,就職と教育の機会均等を完全に保障することが同和問題などの人権問題の中心的課題であるとの認識に立って,応募者の基本的人権を尊重した公正な採用選考が実施

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されるようにするための諸施策を積極的に実施し,雇用主の皆様方に御理解と御努力をお願いして参りましたが,今般,雇用主の皆様に公正な採用選考の基本的な考え方を再確認していただき,さらなる取り組みを行う際に活用できる資料として,本便覧を作成しました。
 雇用主の皆様におかれましては,就職の機会均等の確保を図る当事者として,同和関係者,女性,
障害者,在日外国人などの立揚や人権問題全般に対する正しい理解と認識を深めていただきながら,これらの啓発資料を有効に御活用いただくことにより,公正な採用選考の実施に向けたさらなる取り組みをお願い申し上げます。
2 雇用主に対する啓発・指導就職の機会均等の確保を図るための雇用主に対する啓発及び指導に関する事業としては,一定 規模以上等の事業所の人事責任者を公正採用選考人
 権啓発推進員として選任していただき,当該推進具に対し計画的,継続的な研修等を行うことにより,同和問題などの人権問題の正しい理解と認識のもとに公正な採用選考システムを確立するよう指導し,国民の就職の機会均等の確保を図ることとしています。
 このほか,公正採用選考人権啓発協力員の委嘱,企業トップクラスに対する研修会の開催,小規模事業所に対する自生点検資料の作成等により,雇用主に対する啓発の一層の強化を図ることとしています。

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3 公正採用選考人権啓発推進員制度について
① 趣旨・目的
 厚生労働省では,従来より事業所に対し,公正な採用選考の実施についてお願いしてまいりましたが,「部落地名総鑑」事件の発生にみられるように,雇用主の同和問題についての理解と認識は必ずしも十分とはいえない状況がみられました。
 これらの状況から,雇用主に対する啓発・指導の一層の強化を図るため,昭和52年度から,原則として一定規模以上の事業所について「企業内同和問題研修推進員」の設置を図り,これら推進員に対し,計画的・継続的な啓発・指導を行うことを通して,各事業所において公正な採用選考システムの確立を図ってきました。
 その後,雇用主に対する啓発・指導事業は,平成9年度から同和問題などの人権問題についての正しい理解と認識のもとに就職の機会均等を図るための公正な採用選考システムの確立を目指した人権啓発事業として実施することとし,「企業内同和問題研修推進員」を「公正採用選考人権啓発推進員(以下「推進員」という。)」に名称変更しました。
② 推進員の設置対象事業所
 推進貢制度は,国民の職業選択の自由,就職の機会均等を確保し,雇用の促進を図るため,おおむね次の基準に基づき,公共職業安定所が選定した事業所に対して,推進具の選任を勧奨することとしています。
  (イ)常時使用する従業員の数が100人以上である事業所(滋賀県に置いては20人以上)

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(ロ)常時使用する従業員の数が100人未満であって,就職差別事件又はこれに類する事象を惹起した事業所なお,推道具は,できるだけ多くの事業所に設置することが望ましく,都府県によっては,設置対象事業所の範囲を100人未満規模事業所にまで広げて設置勧奨を行っているところもあります。
③ 推進員の選任基準
 推進員は雇用主が従業員のうちから選任するものですが,公正な採用選考システムの確立を図 るうえで,当該事業所における中心的な役割を果たすことを期待するものですから,人事担当責  任者等,従業員の採用選考等に関する事項について相当の権限を有する者から選任するよう,公共職業安定所が雇用主を指導することとしています。
④ 推進員の役割
 推進員は,国民の就職の機会均等を確保するという視点に立って,次の事項について中心的な役割を果たしていただくことになっています。
 イ 公正な採用選考システムの確立を図ること
 口 職業安定行政機関との連絡に関すること
 ノ その他当該事業所において必要とする対策の樹立及び推進に関すること
 すなわち,採用方針・採用計画をけじめ,選考基準・選考方法,求人(募集)活動,採否決定等について,国民の就職の機会均等を阻害していないかどうか点検しレ公正な採用選考システムの確立を図っていただくことが必要です。同時に,求人活動,面接等採用選考にあたる方々も,同和問 題などの人権問題についての正しい理

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解と認識に基づいて業務を遂行していただかなければなりません。推進具は,これら就職の機会均等の確保を図るため,当該事業所における中心的な役割を果たすとともに職業安定行政機関との連絡の窓口ともなっていただくことになっています。
 その他当該事業所において必要とする対策の樹立及び推進とあるのは,事業所の自主的な取組を要請するもので,個々の事業所において必要な対策について計画し,推進していただくことを雇用主に委ねているところであります。
⑤ 推進員制度運用上の課題
 推進員の設置は,雇用主の皆さんのご理解によりかなり進んでおり,100人以上規模の事業所での設置率は平成26年度末で約97%とかっています。また,100人未満規模の事業所でも相当数の設置がみられます。
 しかし,推進員制度が所期の目的に沿って十分に機能しているかというと,全体的にはまだまだ十分とはいえない状況にあります。行政との連絡を欠かさず,公正な採用選考システムの確立等に積極的に取り組んでいる事業所の例ももちろんみられますが,「推進具を置いているだけで,労働局,公共職業安定所が実施している研修会にはほとんど出席していない推進員を置いているのに採用担当者全員への研修が行われていない」等取組に積極性がみられない事業所の例も見受けられます。
 公正な採用選考システムの確立のため,推進員制度の実効ある取組をお願いします。

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4 公正採用選考人権啓発協力員制度について
① 趣旨・目的
 公正な採用選考システムの確立を推進するには,「公正採用選考人権啓発推進員」による取組だけでなく,従業員の採用選考に最も影響力を持つ企業のトップクラス砿公正な採用選考について一層の理解と認識を深めることが重要であるとの認識のもとに,日頃から企業のトップクラスと接点の多い経済団体等の役員等に「公正採用選考人権啓発協力員」を委嘱し,傘下団体・企業のトップクラスに対する啓発等を推進していただいております。
② 協力長の設置
 経済団体等の傘下団体・企業における公正な採用選考システムの確立を推進するため,厚生労 働省職業安定局及び都道府県労働局に公正採用選考
 人権啓発協力員を置くこととしています。
③ 協力員の職務内容
 (イ)厚生労働省職業安定局または都道府県労働
  局が開催する協力員会議等への出席
 ㈱傘下団体や企業(トップクラス)に対する
  啓発及び援助
(ロ)傘下企業に対する各種研修会等への参加勧奨等

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5 採用の際に必要な点検事項
  ① 採用方針・採用計画をたてる際の点検事項
 (2)選考基準・選考方法を決める際の点検事項
 (3)募集・応募書類についての点検事項
 (4)選考の内容についての点検事項
  (5)採否の決定の際の点検事項
  (6)採用決定(内定)後における点検事項
 (7)応募書類(職業相談票(乙),全校高等学
  校統一用紙,新規大学等卒業予定者用標準的
  事項の参考例,JIs規格の履歴書(様式例))
 (8)求職者等の個人晴報の取扱いについて
(ロ)対象者別の留意事項

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(1)採用方針・採用計画をたてる際の点検事項
点検事項
★ 採用方針・採用計画が合理的に決められていますか。
★ 門戸を開き,求人条件に適合するすべての人が応募できる原則が確立されていますか。
★ 本人の音吐・能力以外のこと(親の職業・家庭状況等)を採用の条件にしていませんか。
★ 結果的に特定の人を排除していませんか。
考え方人にとって,「就職」は生活を左右するものであることはもちろん,その労働を通じて社会生活や社会活動に参加し,自己の充足を図る極めて重要なものです。一方,企業における「人(労働力)」の問題も,その事業の盛衰に大きな影響を及ぼす大変重要なことであるごとに申し上げるまでもないことです。
 したがって,各事業所では「人」の採用に当たって,経済情勢の見通しに基づく事業計画との関連や労働力需給関係,従業員の異動等諸般の情勢を総合的に判断し,考えられていることと思います。
 さらに,その上うな配慮の中に「人を人としてみる」考え方,すなわち人間尊重の精神が十分あるかどうか,ぜひ再考していただきたいものです。

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採用方針・採用計画の策定に当たっては,応募者の基本的人権を侵害したりするようなことや差
別するようなことがないように配慮するほか,ごく限られた人にしか門戸が開かれていないようであれば,「就職の機会均等」を実現することはできませんので,応募者に広く門戸を開き,求人条件に適合するすべての人が応募できるという原則が確立されていなければなりません。応募者の家族状況など本人に責任のない事項や,人生観・生活信条など本来自由であるべき事項を採用条件とすることは,応募者の基本的人権を尊重しない考え方です。憶測や偏見によって採否を決定するのは企業にとっても大きなマイナスです。
 結果的に特定の人を排除していませんか??事業所が採用したいのは職務(イ士事)を遂行しうる能力のある人であって,それは合理的な選考によって客観的に判断されなければならないものです。
採用方針・採用計画の中で特定の人を排除してしまうのは,そ二に予断と偏見とが大きく作用しているからです。
 あらかじめ二れはだめだと決めてしまう考え方は,公正な採用選考とは言えませんプ定時制だ
から能力がない」「障害者では仕事ができない」とどうして決めつけられるのでしょうか。
 また,親の職業であるとか,家族状況等を採用選考のポイントとして考えることは,非合理的な考え方に基づくものと言わざるを得ません。
 事業所にとって,従業員を採用することは,その繁栄成長につながる大変重要なことですから。

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単なる憶測,偏見や予断に左右されることなく,応募者の適正・能力に基づく公正な採用選考を行うということがいかに大切であるかは,雇用主の方が一番よくご存じのことであり,強い関心をお持ちのことだと思います。
「うちの会社の選考体制は,長い間にわたって改善を重ねてきたものだから大丈夫」とか,「我が社は従前から公正な採用選考を行っている。今まで問題を起こしたことがないから大丈夫だ」と安心する前に現在の採用選考について,人権問題としてどの程度認識しているか,正しく理解しているかをもう一度慎重に考えてほしいものです。
意外と「過去からの習慣」として見逃しているものかおるものです。もし,十分認識・理解していない場合には,やはり偏見・予断といったものが残存しているおそれがあると考え,点検してみる必要があるのではないでしょうか。

主観的な判断を採用選考に持ち込んでいませんか積極性とか誠実さなど,いわゆる「求める人物像」を採用条件に持ち込む場合が少なからず見受けられますが,この「積極性」「誠実さ」というものが,職務遂行上必要であるとしても,主観的な判断に陥りやすいものです。それを十分な配慮がないままに採用選考に持ち込み,採否の理由にからませることは,応募者の本当の音陛・能力についての正しい判断を困難なものとするばかりでなく,雇用主の好みに合わない人を排除する場合の


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表向きの理由として利用してしまうおそれがあります。
 公正な評価を行うためには,予め客観的な評価基準を策定するとともに適切な選考方法を選択することが求められます。

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②選考基準・選考方法を決める際の点検事項点検事項
★ 採用職種の職務(仕事)を遂行するために必要な条件を基礎とした公正な選考基準が出来ていますか。
 知識・技能,経験等のうち,職務(作業)遂行上必要な条件は何か,どの程度のレベルが必要なのか明確になっていますか。
★ 選考基準に適合しているかどうか,公正に評価する方法がとられていますか。一つの方法だけで評価していませんか。
★ 過去の習慣,経験のみにとらわれず,応募者の基本的人権を尊重する体制がとられていますか。
★ 応募者の能力を表面的に判断せず,潜在的な適正や長所を積極的に見出すための配慮がなされていますか。
★ 合理的・客観的に必要のない健康診断を実施していませんか。
考え方
 採用方針,採用計画を実現するための手段が募集であり,選考ですが,目的を達するためにはやはり正しい手段,方法が必要です。
 選考基準はそのための「ものさし」ですから,採用する職種の作業内容に則して,知識はどのよすれば、よいか。

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 この場合,大切なことはその基準が合理的なものであるか,ということです。
 例えば,採用選考に当たって,高卒対象の選考であるのにそれ以上の高度なものを課したり,あるいは職務に関係のない知識や身体的要件等を求めることは,正しい選考を阻害するものとなります。
また,誰でも欠点や短所はありますが,他人にはない,その大の持ち味,生かし得る価値を持っているものです。その点を公正に判断できる基準ができていないと,落とすための選考となって
しまいます。
 選考は,選考基準にどの程度適合しているかを判断するために行われるものでなければなりません。 したがって,その方法についても適切なものを遊ばなければならないのです。
 選考方法には,学科試験,作文,音吐検査,面接等いろいろあります。選考基準に適合する度合いを的確に判断するためには,どの選考方法が適しているかを十分に検討することが大切です。
 一つの方法のみで選考するという方法は,正しい評価に欠けるおそれがありますので,総合的に評価するようにしてください。
 各事業所における人事制度は,一朝一タにできたものではないと思います。 したがって,その採用選考システムについても,多くの慣習や経営者,人事責任者の経験といったものがとり入れられているはずですが,応募者の基本的人権を尊重する

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ことについて十分配慮されているでしょうか。意図的な差別性はなくても従来から行われている方法の中には,偏見に基づく予断が残存している例が少なからずみられ,差別につながるおそれのある事項もありますので,人権問題の解決という視点からも,新しい感覚で再点検していただきたいと思います。
 新規学卒者はもとより,個人は就労を通じて能力を伸ばしていく可能性を持っています。応募者の表面的な現象(容姿,態度等)や過去の成績だけでなく,潜在的な適欧や長所,採用後の教育,訓練による可能性についても,積極的に見出すよう配慮してください。
 労働者に求められる適正と能力の内容は職務内容によって異なりますが,少なくとも各職務に共通して就職差別につながるおそれかおる事項としては,次の14事項をあげることができます(これらに限られるわけではありません)。

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以下、省略致しますが、機会があれば、アップしていきます。






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